▶全酒類卸売業免許の要件


┃全酒類卸売業免許の人的要件

 

 全酒類卸売業免許には、申請者について「人的要件」(酒税法第10条第1~8号)が定められており、申請者が以下に該当する場合は免許を受けることができません。

 

 1 申請者が酒類製造業免許、酒類販売業免許、アルコール事業法許可の取消処分を受けた日から3年を経過するまでの者である場合

 2 1の処分を受けた法人の取消原因があった日以前1年以内に業務執行役員であった者で、その法人が取消処分を受けた日から3年を経過するまでの者がする

  請

 3 申請者が未成年者で、その酒類販売に関する営業についての法定代理人が1、2または7、8に該当する場合

 4 3の法定代理人が法人で、その役員に1、2または7、8に該当する者がある場合

 5 申請者が1、2または7、8に該当する者を酒類販売場の支配人としようとする場合

 6 申請者が申請前2年内に国税または地方税の滞納処分を受けた者である場合

 7 申請者が、国税または地方税に関する法令、酒類業組合法、アルコール事業法にの規定により罰金刑に処せられ、または国税通則法、関税法、特別とん税法、

  地方法の規定による通告処分を受け、その執行を終わり、もしくは執行を受けることがなくなった日から3年を経過するまでの者である場合

 7の2 申請者が、未成年飲酒禁止法、風営適正化法、暴力団不当要求防止法、刑法(いずれも該当条文に限定あり)の規定により罰金刑に処せられ、その執行

  終わり、または執行を受けることがなくなった日から3を経過するまでの者である場合

 8 申請者が禁固以上の刑に処せられ、その執行を終わった日または執行を受けることがなくなった日から3年を経過するまでの者である場合


┃全酒類卸売業免許の場所的要件

 

 全酒類卸売業免許には、設置する酒類販売場について「場所的要件」(酒税法第10条第9号)が定められており、酒類販売場が以下に該当しない場合は免許を受けることができません。

 

 正当な理由がないのに、取締り上不適当と認められる場所に販売場を設けようとしていないこと

 

 具体的には、以下のような酒類販売場であれば、免許を受けることができます。

 1 酒類販売場が、製造免許を受けている酒類の製造場や販売免許を受けている酒類の販売場、酒場または料理店等と同一場所でないこと

 2 酒類販売場における営業が、販売場の区画割り、専属販売従事者の有無、代金決済の独立性等、販売行為において他の営業主体の営業と明確に区分されて

  こ


┃全酒類卸売業免許の経営基礎要件

 

 全酒類卸売業免許には、申請者について「経営基礎要件」(酒税法第10条第10号)が定められており、申請者が以下に該当しない場合は免許を受けることができません。

 

 申請者が破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない場合のほか、その経営の基礎が薄弱であると認められる場合に該当しないこと

 

 具体的には、申請者(法人の場合には役員・主たる出資者を含む)が以下の1~6に該当しないこと、7~9を充足している場合に免許を受けることができます。

 1 現に国税または地方税を滞納している場合

 2 申請前1年以内に銀行取引停止処分を受けている場合

 3 最終事業年度における確定した決算に基づく貸借対照表の繰越損失が、資本等の額を上回っている場合(債務超過に陥っている場合)

 4 最終事業年度以前3事業年度のすべての事業年度において、資本等の額の20%を超える欠損を生じている場合

 5 酒税に関連する法令に違反し、通告処分を受け、履行していない場合または告発されている場合

 6 申請販売場の設置が、建築基準法、都市計画法、農地法などの法令・条例に違反し、除去または移転を命じられている場合

 7 経験その他から判断し、適正に酒類の小売業を経営するに十分な知識及び能力を有すると認められる者またはこれらの者が主体となって組織する法人である

  と

  請者(法人の場合にはその役員)が、おおむね以下の経歴を有していること

  ● 免許を受けている酒類製造業・酒類販売業の業務に直接従事した期間が引き続き10年(経営者として直接従事した者にあっては5年)以上である者、調味

   品等の卸売業を10年以上継続して営業している者、またはこれらの業務に従事した期間が相互に通算して10年以上である者

   申請等販売場が沖縄県に所在する場合については、10年を3年と読み替える

  ● 酒類業団体の役職員として相当期間継続勤務した者または酒類に関する事業および酒類業界の実情に十分精通していると認められる者

 8 酒類を継続的に販売するために必要な資金・販売施設・販売設備を有していること、または必要な資金を有し免許付与までに販売施設・販売設備を有するこ

  が確実と認められる場合

 9 申請販売場における年平均販売見込数量(卸売基準数量)が100kl以上であること


┃全酒類卸売業免許の需給調整要件

 

 全酒類卸売業免許には、申請者について「需給調整要件」(酒税法第10条第11号)が定められており、申請者が以下に該当しない場合は免許を受けることができません。

 

 申請者が酒税の保全上酒類の需給の均衡を維持する必要があるため酒類の販売免許を与えることが適当でない者と認められる場合に該当しないこと

 

 全酒類卸売業免許については、販売数量の地域的需給調整を行うため、都道府県を一単位とする卸売販売地域が設けられています。

 卸売販売地域ごとに、以下の計算方法で免許可能件数を算出しています。

 

 (卸売総数量-大規模卸売販売場の卸売数量)×増減率 ÷販売基準数量(3,400kl)-(卸売販売場数-大規模卸売販売場数)=免許可能件数(小数点以

 切り捨て。卸売販売地域内に所在する全酒類卸売業免許販売場数の5/100を超える場合は、販売場数に5/100を乗じて算出した数を上限とする。1に満た

 ない場合は1とする。この件数によって公開抽選などが行われます)

 

 卸売総数量   ➡ 卸売販売地域内に所在する全酒類卸売業免許販売場の直近1年間における卸売販売数量(みなし休業場の卸売販売数量を除く)の合計

 増減率     ➡ 卸売販売地域内における直近1年間の酒類消費数量の、その前1年間の酒類消費数量に対する割合

 卸売販売場数  ➡ 卸売販売地域内に所在する全酒類卸売業免許販売場(休業場および、みなし休業場を除く)の数

 大規模卸売販売場の判定基準  ➡ 20,000klの全酒類卸売業免許販売場

 みなし休業場の判定基準    ➡ 100kl未満の全酒類卸売業免許販売場