▶酒類販売業者の義務など


┃帳簿を付ける義務

 

 酒類販売業免許を付与された酒類販売業者には、酒類の仕入および販売について、帳簿を付ける義務が課せられます。

 帳簿は酒類販売場に備え付け、閉鎖した帳簿についても5年間の保存義務があります。

  

 帳簿に記載しなければならない内容は、以下のとおりです。

 

【仕入について】

 ● 酒類品目別の仕入数量  ● 仕入価格  ● 仕入年月日  ● 仕入元業者の住所、氏名または名称

 

【販売について】

 ● 酒類品目別の販売数量  ● 販売価格  ● 販売年月日  ● 販売先の住所、氏名または名称

   

 小売販売の場合は、販売先の住所、氏名または名称は省略することができます。

 また、仕入の都度、仕入先から、仕入れた酒類のすべてについて上記内容の記載された伝票の交付を受け5年以上保存しておく場合、および3か月を超えない月の月に酒類の棚卸を行う場合は、3カ月ごとの一括記帳ができます。

 

 酒類の記帳義務を怠った場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処されることがあります(酒税法第58条第9号)。


┃酒類販売管理者選任等の義務

 

 「一般酒類小売業免許」「通信販売酒類小売業免許」などを付与された酒類小売業者は、酒類小売業免許を受けた酒類販売場ごとに「酒類販売管理者」を選任する義務があります。

 新たに酒類小売業免許を受けた酒類販売場では、酒類の販売を開始するときまでに酒類販売管理者を選任しなければなりません。

 酒類販売管理者を選任または解任した場合は、2週間以内に「酒類販売管理者選任・解任届」を、酒類販売場を管轄する税務署に提出する必要があります。

 酒類小売業者は、酒類販売管理者に対し、前回の研修の受講から3年を超えない期間ごとに、酒類販売管理研修の再受講をさせなければなりません。

 

 

 酒類販売管理者の選任について、詳しくは「酒類販売管理者の選任」ページをご覧ください。


┃酒類販売場などへの表示

 

   

 「一般酒類小売業免許」「通信販売酒類小売業免許」などを付与された酒類小売業者は、酒類販売場における酒類の陳列場所や通信販売広告媒体に、表示をしなければならない事項があります。

  また、酒類小売業者は、酒類販売場における酒類の陳列場所や通信販売広告媒体に「酒類販売管理者標識」を掲示する必要があります。

 

 一般酒類小売業免許の表示について、詳しくは「酒類販売場の表示」ページをご覧ください。

 通信販売酒類小売業免許の表示について、詳しくは「通信販売広告媒体の表示など」ページをご覧ください。


20未満者の飲酒防止等の推進

 

 酒類販売業者には、20歳未満の者の飲酒防止について、以下の義務が課せられています。

 

 ● 20歳未満の者が飲用に供することを知って酒類を販売または供与することを禁ずる。

 ● 20歳未満の者の飲酒の防止に資するため、年齢その他の必要な措置を講ずる。

 

 「20歳未満の者が飲用に供することを知って酒類を販売または供与することを禁ずる」に違反すると50万円以下の罰金に処されることとなり(未成年者飲酒禁止法第3条)、罰金に処されると酒類販売業免許の取り消し要件に該当することになります(酒税法第14条第2号)。

 

 「20歳未満の者の飲酒の防止に資するため、年齢その他の必要な措置を講ずる」について、具体的には以下のような取り組みが求められています。

 

 ● お酒のチラシ等への20歳未満の者の飲酒防止のための注意文(「20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています。」など)の掲載

 ● 店頭やレジ付近、酒類の陳列場所への20歳未満の者の飲酒防止のポスターの掲示、同趣旨の店内放送

 ● 自動販売機による酒類の販売の自粛

 ● レジ袋への20歳未満の者の飲酒防止、飲酒運転防止のための啓発内容の表示など


┃公正な取り引きの確保

 

 酒類販売の事業者間競争は、公正な取引ルールの下で行われなければならないため、国税庁では「酒類に関する公正な取引の指針」を定め、公正な取り引きを促進しています。

 「公正な取引」とは以下のような取り引きをいいます。

 

 ● 合理的な価格設定

 ● 取引先などの公正な取り扱い

 ● 公正な取引条件の設定

 ● 透明かつ合理的なリベート

 

 また、独占禁止法により「不当廉売」「差別対価」などの不公正な取り引きは禁止されています。

 過度の廉売を連想させ、不当にお客を誘引する広告や目玉商品的な取り扱いなどは控え、節度ある販売を行いましょう。


┃容器リサイクルの推進

 

 容器包装リサイクル法では、消費者(分別排出)、自治体(分別収集)、事業者(再商品化)がそれぞれの役割分担により容器包装廃棄物リサイクルを推進することにより、新たなリサイクルシステムの構築を目指しています。

 

 以下に該当する事業者は容器包装リサイクル法の事業者に該当するため、レジ袋や包装紙などについて再商品化の義務が生じます。

 

 ● 主たる事業が卸、小売、サービスの場合    ➡ 売上高7,000万円超または従業員数5人超の事業者

 ● 主たる事業が卸、小売、サービス以外の場合  ➡ 売上高2億4,000万円超または従業員数20人超の事業者